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《壱》 いちひめ - 1.Ichihime -

世界の始まりと伝達

 たろうが「種」なら、いちひめは「水」である。水は霊力。水を与えられ種は芽吹く。水の星であるこの地上の力を象徴するのが『壱・いちひめ』である。また、天にあって燦然と輝くたろうの「火」で、水は温められ変容する。この「火水(カミ)」という陰陽のエレメントは「変容」のシンボル。地上にあらゆるものをもたらす最初の土壌(世界の始まり)となる。

 いちひめの周囲には、霊獣が取り巻く。たろうの時は「音」の玉でしかなかった霊獣が、水(=いちひめ)の力を得、地上世界に繰り出すことを暗示している。古今東西の神話が語る、乳母と夫婦になる物語や、女から生まれ出た男が、再び、母である女と結ばれようとする物語は、この創造の働きを現している。何者でもなかったものが「何かでありたい。何かになりたい」と相手を乞い、二つのもの(陰と陽)は結ばれる。しかし、創造は再び「なんでもなかった」ものに戻りたいと願うようになり、何者でもないところへと還ってゆく。その繰り返しは「呼吸」のようなもので、生命の動きを司る。

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