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《拾弐》アダシノ - 12.Adashino -

空虚に待つ/生命の力

 『アダシノ』は平安時代からの風葬の地として知られる京の化野(あだしの)がモデル。右端の空には、四神の青龍が浮かび上がる。『拾六・ミカヅチ』に現れた青天の霹靂的な空とも交差する。巨大なドクロに腰掛ける童子の不安げな表情。放心とも取れる童子の顔は、親を亡くしたばかりであることを想像させる。ドクロに止まった蝶はシンボリズム的には魂。亡き親の守護を感じさせる。故事『胡蝶の夢』のように、このカードには、この世の儚さと無常観が溢れている。

 後ろ盾、支えを無くしたこの子の心に浮かぶ想いは何であろうか?寂しさや情けなさ、孤独。どうしていいかわからないという放心状態。しかしこのカードにおいては、この放心、頼りのなさの中にこそ、変容の秘密が隠されている。空虚の中にこそ発見しうるもの。すべてが奪われたように見えるかもしれない。しかし、彼はやがて気づくだろう。それでも自らが「ここ」に在ることを。生命は微動だにしない。彼の成熟をのみ待つ。

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